Houdiniで煙テクスチャを作る手順

こんにちは。デザイナーのKです。
今回は、エフェクト制作でよく使われる「煙」のテクスチャを、Houdiniを使って作成してみました。
Houdiniはプロ向けの3DCGソフトとして知られており、難しそうなイメージを持たれがちですが、実は「煙」だけなら意外とシンプルに作ることができます。
今回はその手順をご紹介します。
まず、全体のノード構成は下記の画像のようになっています。
1. 発生範囲の設定(sphere ノード)
最初に、煙が発生する範囲をsphere
ノードで定義します。球体の範囲内で煙が発生するイメージです。
2. 発生範囲にランダム性を追加(mountain ノード)
sphere
だけだと形が単調になってしまうので、mountain
ノードでノイズを加え、発生範囲を少し歪ませます。これにより、より自然でリアルな煙の動きを表現できます。
3. ポイントの発生(popnet ノード)
popnet
ノードを使い、上記で作った範囲内にランダムにポイントを発生させます。煙の元となる粒子をここで生成します。
4. アトリビュートの作成(pyrosource ノード)
pyrosource
ノードで、煙の「density(密度)」「temperature(温度)」「v(速度)」といった属性を各ポイントに付与します。これが後のシミュレーションで重要な役割を果たします。
5. ボリューム化(volumerasterizeattributes ノード)
volumerasterizeattributes
ノードで、ポイントをボリューム(3Dの煙の塊)として変換します。ここで煙の形状がより具体的に現れます。
6. シミュレーション(pyrosolver ノード)
pyrosolver
ノードで、煙の動きをシミュレーションします。ここで風や渦など、自然な煙の流れを作り出します。
7. キャッシュ保存(filecache ノード)
シミュレーションしたデータはfilecache
ノードで保存します。これにより、何度も計算し直す必要がなくなり、作業効率がアップします。
8. マテリアル設定と色付け(pyrobakevolume ノード)
最後にpyrobakevolume
ノードでマテリアルやカラーを設定し、煙に色味や質感を加えます。ここで見た目の調整を行い、完成度を高めます。
ループ素材の作成について
レンダリングした煙素材は、After Effects(AE)などのコンポジットソフトで色味やループ調整を行うと、ゲームや映像用のループエフェクト素材としても活用できます。もちろん、Houdini内でもループアニメーションを作ることが可能です。
まとめ・今後について
今回はHoudiniを使った煙テクスチャの作成方法をご紹介しましたが、Houdiniは煙だけでなく、炎や爆発、破壊表現など、さまざまなエフェクト制作に活用できます。今後はさらに幅広い表現にチャレンジして、よりリアルで魅力的なエフェクトを作れるよう勉強していきたいと思います。